杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

権利と義務

今日はちょっと…抽象的で固いタイトルになってしまったが(いや毎回かなり固い)、この大人であれば当然つきまとう二つのことを、最近よく考えているので、書いておこうと思った。

人間は家庭を形成すると、毎日、家族と何気なく一緒に過ごし、次第に馴れ合いが生じ、やがて好き勝手に感情を吐き出し合うようになる。しかし人間だれしも、家族に対しても行使できる権利と守るべき義務が明確にあると思う。家族だから何でも許されるわけではなく、遠慮は要らないが相手の権利を侵害してはならない。逆に、家族は自分に対しそれぞれ要望や思惑を持つだろうが、自分はそれに対し、選んだり、受け入れたり拒否したりする権利を持つだろう。当然のことである。

子供は親に対し何ら義務を負う必要はないと私は思う。日本の法律はどうなっているかは知らないが、子は親に何の義務も負わなくていいんじゃないかと思う。一方、親は子を保護したり教育したりする義務を負う。とすると、やっぱり子の方も勉強する義務を負うのかも知れないが、よく分からない。義務教育は親の義務であるらしいが、だったら子は親が自分に教育を受けさせようとする行為に服従しなくてはならないことになると思われ、それは義務ではないか、という気がする。まあ、細かいことはいい。

私自身が家族を持ち、その中でそれなりに悩み苦しんだ結果、そんな風に考えるようになった。家族は、お互い自由でいていい。当人は家族の自由を侵害してはいけないし、自由を束縛する方向に作為してもいけないと思う。一方で、当人もまた自由を家族から侵害されることはなく、自由に振舞っていい。お互いが自由に振舞って、それで問題が起きないなら、もう言うことはない。家族は、一緒に暮らす必要はないのかも知れない。そしてそれが家族の本当のあるべき姿なのかも知れない。家族は、本当はお互い孤独なのだ。それも当然である。

そう。考えてみればぜんぶ当然のことなのである。