杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

「親ガチャ」

学生たちの間でそんな言葉が最近よく使われているようだ。

「ガチャ」とは、オンラインゲームで希望のアイテムを手に入れるための電子くじシステムのことだ。お店によく置いてあるガチャガチャが語源らしい。要するに、自分にとって親はガチャ、つまり選べない存在であるという意味である。

細かい指摘になってしまうが、ガチャで引き当てる親は自分がこの世に存在する前に存在しているのだから、親が選べないということをガチャという言葉で表現するのはおかしい気がする。が、まあ言わんとすることは分からんではない。

親の側にも「子ガチャ」という言い方があるようだ。親ガチャも子ガチャも、相手への自分の期待が外れてしまい、嘆く時に使われるらしい。

この言葉の背後には、若年世代や親世代の、時代や社会や人生に対する諦観があるらしい。遺伝とか格差とか、自力では変えるのが難しい、あるいは不可能な「重力問題」があるために、嘆きとしてガチャという言葉が出てきてしまうのだろう。

とはいえ…なんだか嫌な言葉である。