杉本純のブログ

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鷗外没後百年

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没後100年、生誕160年

文京区のある通りを歩いていたら、商店街の電灯に「森鷗外没後100年」という旗がありました。文京区には森鷗外記念館があり、そこで特別展も行われているため、没後百年の今年はPRに力を入れているのだと思います。

鷗外は1922年没で今年没後百年、なおかつ1862年生まれなので今年は生誕百六十年でもあります。

阿部一族」がすばらしい

鷗外といえば、私は学生時代にやや熱心に読んだ記憶があります。「舞姫」「高瀬舟」『ヰタ・セクスアリス』『雁』などの有名作の他、他にも短篇をずいぶん読みました。中でも「かのように」は印象に残っています。

後年、ゲーテの『鉄の手のゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン』について研究したいと思い、鷗外の「ギョッツ考」を読みました。これは「ゲッツ」に関する論考ですがやたら詳細で、ゲッツ関連のどの日本語の文章よりも得るものがあったのが強く記憶に残っています。

史伝『澁江抽斎』は、読んで面白いとは思ったものの、やはり退屈さの方が大きかった。そういうこともあり、他の史伝は読んでいません。歴史小説ではやはり「阿部一族」がすばらしい。これは歴史小説どころか、これまでに読んだ全鷗外作品の最高傑作だと思っています。

鷗外記念館では現在、特別展「写真の中の鷗外 人生を刻む顔」を開催中。近くにある本郷図書館には最近ぜんぜん行っていないので行きたいし、文京区散歩をして鷗外記念館にも行ってみたいです。