杉本純のブログ

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HSP雑感

HSP関連の本を何冊か読みましたが、最近、ふと気づいて考えたことがあります。

HSPとは『気が付きすぎる人』」という風に、複数の本で紹介されたいたのですが、果たしてそうだろうか、と思ったのです。

最近ではRyota『まわりに気を使いすぎなあなたが自分のために生きられる本』(KADOKAWA、2021年)を読み、「HSPとは、環境感受性の高い人で、簡単にいえば『気づきやすい人』なんです」と書いてありました。

ですが私は、HSPは「気が付きすぎる人」というより「気にしすぎる人」というなんじゃないかな、と思っています。

これまでに読んだHSP本の大半に、自分がHSPかどうかを読者がセルフチェックできるリストが付いていました。どれも簡単にチェックできるのでやってみたところ、私はいつもHSP、ないしHSS型HSPという結果でした。しかし、では自分が「気が付きすぎる人」かというと、必ずしもそうとはいえない事実が少なくない気がするのです。

というのは、私は焦燥に駆られやすく落ち着きがなくて、見落としや見過ごしてしまうことがけっこうあるのです。自分はなんて鈍感なんだ、と忸怩たる思いを抱くことが少なくありません。もしHSPが「気がつきすぎる」のであれば、見落としや見過ごしは少ない、あるいは無いではないか…。

けれども、HSPが人一倍敏感で、多くの人が気づかない小さなことにも気づくことがある、というのは、まさにその通りだと思います。ただ、「気がつきすぎる」というと、どうも違和感が拭えません。

思うに、HSPはいちど何かに気がつくと、それがひどく気になりやすい人なのではないか。あるいは気にしすぎてしまう人なのではないか。

私自身、日中の出来事が気になって気になって仕方なく、夜なかなか寝付けないということけっこうありますし、気になっていることを思い切って相手に言ってみたら相手はぜんぜん気にしておらず、「気にしすぎだよ」などと言われたことが一度や二度ではありません。一方で、上に述べたように気がつかないこともけっこうあるのです。

とすると、人にはそれぞれ意識のアンテナというものがあって、HSPにも当然それがあるものの、HSPの場合はキャッチした時の衝撃がそうでない人に比べて大きい、ということなのではないか。そんな風に思っています。