杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

並行読書について

好奇心に従えば、誰もが並行読書をする

「並行読書」という言葉があることを最近知りました。

これは「教科書と関連させて本や文章を読むこと」と定義されているらしく、文部科学省が推奨している本の読み方だそうです。具体的には、つまり類書をたくさん読んで比較しながら頭に入れていく、という方法かと思います。また、好きな本をジャンルを問わず複数、並行させて読むことも「並行読書」と呼ぶようです。

私は、最近ならHSP関連の本を複数、ほとんど手当たり次第に読んでいるので、上記の例の前者を行っています。HSPに限らず、小説作法やノンフィクション・伝記の書き方、お金などなど、幅の広さは様々ながら多くのテーマで並行読書をやってきました。

また、上記例の後者も経験しています。通勤電車の往路ではビジネス書など学ぶための本を読み、復路では小説など味わうための本を読んでいました。さらに自宅ではまた別種の、読みたい本の読みたい箇所だけを読む読書をやっているので、「並行読書」はどの意味においてもこれまで当たり前のように続けてきたと言えると思います。

本というのは、やはり読みたい時に読みたいものを読むべきで、さらに興味の赴くにまかせて深め、広めていけばよい。つまり、知的好奇心に従って行動すれば、誰でも「並行読書」をすることになるのではないかと思います。

並行読書の長所と短所

並行読書とは、つまり多読ということでしょう。それは上記の前者のやり方ならある分野の知識を広く、手早く獲得することにつながり、後者なら時と場合に応じた楽しい読書生活を送ることができるという良さがあります。

もちろん短所もあります。例えば後者の場合、私はいずれも長篇の小説とノンフィクションを並行して読んでいたことがあり、両方を読み終わるまでけっこうな時間を要しました。通勤のわずかな時間しか読書に使えない場合、長篇だとなかなか読み終えることができず、忍耐が必要になります。

一方、前者のような類書を複数、集中して読みまくる場合だと、他のことに興味が湧いてもそっちを我慢することになります。また、例えば良質な睡眠に関するある言説を、誰がどの本で述べていたかを思い出したい場合、メモなどがないと思い出せなくなってしまうことが考えられます。私はすでにHSP本をたくさん読んでいますが、そんな風に思い出せなくなっている事柄があるかもしれません。

ただし、同テーマの複数の本は、レベルに応じて似たようなことを述べているケースが多く、その本の著者のみが述べている固有の言説を覚えていれば読書の目的は果たせているのではないかと感じます。また複数の長篇を読んで時間がかかってしまうとしても、べつに本は早く読み終わらなくてはならないわけではないので、じっくり味わいながら頭に入れていけばいいのです。

並行読書は、本に親しむ生活を送る人であれば必ず実践する読書法であり、知的生活を充実させる上で欠かせないものだと思います。