杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

コロナ禍とHSP

Ryota『まわりに気を使いすぎなあなたが自分のために生きられる本』(KADOKAWA、2021年)を読みました。

HSPが心身を消耗することなく社会で生きていけるようになるヒントが多数書かれた本です。アマゾンレビューを見ると、著者のRyotaさんのブログの内容と重複している箇所が多いそうですが、私はそのブログを読んでいませんでした。一方、これまで何冊か読んだHSP本と似ている箇所がけっこうあるなと感じました。HSPは1996年にエイレン・アーロン博士によって初めて存在が明らかにされたそうですが、一般向けには入門書が多い印象です。

さてこの本で特に私が面白かったのは、各章の末尾に載っているコラムです。中でも最終章の第5章は「コロナ禍におけるHSPさん」が載っていて、コロナ禍を機にHSPに起きたであろう変化とその影響について書かれていました。

良い影響としては、ソーシャルディスタンスとテレワークの浸透によって人間関係の疲れが減った、などがあり、悪い影響としては、気分転換がしづらい、などがありました。Ryotaさんご自身が、HSPの方からそういう報告を受けたそうです。

中でも刺激追求型であるHSS型HSPからは、コロナ禍で燃え尽きたように動けなくなった、という相談があったらしいです。私はコロナ禍によって移動の制限が加えられたことでとてつもないダメージを受けたと思っていて、本に書かれていたことには強く共感しました。

Ryotaさんは、コロナ禍によって起きた変化からは良きにつけ悪しきにつけ学ぶべきことが多く、これからの自分にどう役立てるかが大切、といったことを書いています。同感です。コロナ禍は来年以降も続くでしょうし、これを完全に克服したところでそれ以前の生活がそっくりそのまま戻ってくるということはないでしょう。私自身も、上述のように大きな疲労を経験して学ぶべきことがありました。それをいかに今後につなげるかが大事だと思います。