Ryota『まわりに気を使いすぎるあなたが自分のために生きられる本』(KADOKAWA、2021年)の第1章「HSPは病気じゃない。頑張っても治らない。でもそれでいい」に、「溺れている人は溺れている人を助けられない」という見出しがあります。
そこでは、HSPは他人に優しく、自分を犠牲にしてでも他人を助ける傾向がある、と述べられています。それが「格好いい」「必要とされている」といった気持ちにつながる、と。つまり、自己陶酔や承認欲求の充足、アイデンティティの確認につながっているということでしょう。
しかし、そのために人を助けることを優先することは、他人軸の人生をつくってしまう可能性があります。
私はHSPさんに、『溺れている人は溺れている人を助けられませんよ」とお話しします。自分が助かっていないのに、相手を助けることはできません。
その通りだと思います。これはけっこう、多くの人が色んなところで色んな風に述べているように感じます。まず自分。それから他人。まあ、考えてみれば当たり前のことです。
一方で、自己犠牲による自己陶酔や承認欲求充足を体験していて、それが生き方や生活に定着してしまっている人は、変えていくのに時間がかかるのではないでしょうか。犠牲による陶酔や欲求充足というパターンをいったん崩し、新たな精神生活のパターンをつくらなくてはならないと思うからです。