杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

「意識低い系生活」

Ryota『まわりに気を使いすぎるあなたが自分のために生きられる本』(KADOKAWA、2021年)を読んでいます。最近よく見かけるようになったHSP本の一つに数えられると思いますが、著者のRyotaさんはHSPアドバイザーで、自身も強度のHSPであるそうです。

コラムの一つに「『意識低い系生活』のすすめ」というのがあります。誰かの役に立たないといけない、社会に貢献しないといけない、など意識を高く持って生活していると、楽しめなかったり、他人を優先して自分を後回しにしてしまったりして、毎日が辛くなってしまう、と書かれています。

 生きづらさを感じているときは、生きる意識をもっと下げてみることです。それを私は、「意識低い系生活」と呼んでいます。

これまで何冊かHSP本を読んできましたが、この「意識低い系生活」という考え方には初めて接したような気がします。いや、他の本でも似たようなことは述べられていたはずであるものの、本書ではそれが比較的はっきりと書かれているように思います。

本書にはHSPに向いている仕事を紹介している章があり、その中に「向いていない仕事の例」が書かれています。向いていない仕事(職場)の特徴がいくつか並んでおり、その一つに「意識が高すぎる(プライベートを犠牲にして会社に貢献する社風)」とあります。

意識が高い、プライベートを犠牲にする価値観が強い職場というと、多くの人が貢献とか成長のために長時間労働や持ち帰りサービス残業をしているようなところでしょうか。そういう仕事はいくつもありそうな気がしますが、クリエイティブ業界などもそこに含まれそうな気がします。

私は、仕事に対する意識が低いと仕事に張り合いを感じなくなり、ひりつきのない、役不足地獄の生活になってしまう可能性があると思っています。だから無条件に「意識低い系生活」が良いとは思いませんが、生きづらさを感じているのならRyotaさんの言うとおり、気張らずだらだらするなどして回復を図る方が良いと思います。