悩み人間とは換言すれば――自分の事柄に対して深く思索しているうちにノイローゼになった人ということである。
他人の目線の微妙なニュアンスの中に自分への否定を感じて大いに考え込むようになり、先輩や上司の言葉を深く考えてしまって我が心を傷つける私たち――この心的態度の積み重ねが、元気を奪いノイローゼを生む。
本多信一『内向型人間の仕事にはコツがある』(大和出版、1997年)に、そんな風に書いてあった。内向型人間が一種の自意識過剰になってしまう経緯は、だいたいこういうものではないかと思う。
自分に対し深く思索しているうちにノイローゼになる、というのはとても分かる気がする。内向型人間のこういう傾向は、「自分病」とでも名付けられそうな気がする。著者の本多は、しかしその深く思考する力が、成功をもたらすともいう。悩み苦しむからこそ、その過程で思考を押し進め、鍛えられるのだと思う。