杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

人生の漂流

意識的な欲の充足

武田友紀『「繊細さん」の幸せリスト』(ダイヤモンド社、2020年)を読んでいます。
恐らくHSPである私は、HSP関連本、また本多信一さんの「内向型人間」に向けた啓発本をよく読んでいます。HSP=繊細さんと位置づける本書も、その一環で手に取りました。

本書は、文字通りHSPが毎日幸せを感じて生きていけるよう、さまざまな助言をする内容です。ここではHSPには六通りの幸せがあるとしています(感じる幸せ、直感の幸せ、深く考える幸せ、表現の幸せ、良心の幸せ、共感の幸せ)。

その第1章「感じる幸せ」には「思いっきり「欲」を出していこう!」という節があり、こうあります。

 欲を禁じていると、人生が漂流します。自分がほしいものがわからないので、世の中が「こうするべき」や、誰かの「こうしてほしい」に流されてしまうのです。

「人生の漂流」というと、青春期の人によくある、何者かになりたくてもなれずにもがきながら彷徨う様子を私は思い浮かべてしまいますが、ここに書かれているような他人や世の中に流されてしまう生き方もまた、たしかに「漂流」のようなものだと思いました。

今はコロナ禍のため、特に外出や外食が好きな人にとってはやりにくい状況でしょう。欲が抑圧された結果、漂流めいた無気力感を抱いたことは私もあります。しかもこれは、私の感覚では放っておくと深刻化し、下手をすると鬱病にもなってしまうのではないでしょうか。

感情に任せた言動は良くないでしょうが、欲望を充足させることに意識的であるのは存外大事じゃないかと思います。