杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

「勉強好きな変人」

時田ひさ子『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』(フォレスト出版、2020年)を読んでいる。この本でいう「かくれ繊細さん」とは、HSS型HSPという、好奇心旺盛で行動的なのに繊細で傷つきやすい人を指す。著者の時田さん自身、これまでの人生の中で生きづらさを感じることが多く、調べていった結果、自分がHSS型HSPであることを知った人である。

本書の中に「『かくれ繊細さん』と仕事とお金」という章がある。「かくれ繊細さん」が、お金や仕事や職場といった問題をどう捉えればいいかのアドバイスが書かれている。そこでは、「かくれ繊細さん」にとっての娯楽は「興味の赴くままに調べる」や「学ぶ」「情報収集する」といった、知識欲を満たすことであり、それが心の底からの幸せにつながる、と書かれている。

 でも、それって、一般的な観点でいったら「勉強好きな変人」です。だから、かくれ繊細さんが本当に心の底から幸せだと感じることは、ひそかに行うというルールを設ける必要はあるかもしれません。

「勉強好きな変人」という言葉が印象深い。私はこのブログで「好きこそ物の変態なれ」とか書いたことがあるが、変態と呼ぶくらいある物事が好きであることや、変態レベルまで突き詰めていくことは、極端に繊細な感性のなせる業なのではないかと、この本を読んで思った。