杉本純のブログ

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作家の経済的自立

ディーン・R・クーンツ『ベストセラー小説の書き方』(朝日文庫、1996年)の第十三章「書いたものをどう売るか」は、作家と出版社や編集者、お金などについて、読者からの質問への回答という形で記されている。

質問の二つ目と回答の冒頭。

 (2)経済的に自立できるようになるまでに、いったい何冊くらい書かなければいけないでしょうか?
 作家になろうとこころざす人たちのほとんどが、はじめてタイプの前にすわった瞬間から、経済的自立について思い悩む。したがって、わたしも多くの人たちからのこの質問を受けた。しかし、その答えはひとつではない。
 何人かの人たちは、処女作が大ヒットして、それ以後まったくお金の心配から解放される。いっぽう、他の人たちは、ベストセラーを出すまでに、三冊、六冊、あるいは三〇冊も書かねばならない。
 また、ベストセラーを最後まで出せない人たちもいる。…

この後、会社勤めの人は飢える心配がないが一財産つくることもできず、一方でどんな作家も大きなお金を獲得する可能性がある、と続く。

作家とお金のことを私はまったく考える必要がない状況にあるが、興味深いので読んでしまった。多くのワナビは作家以外の仕事で収入を得ていて、今の仕事を辞めて作家になっていこうとする道程に、お金をどうするかという問題が必ず立ちはだかるだろう。

作家の経済問題は、ワナビにとって切実ではないが知っておいて損はないテーマなんだと思う。

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