杉本純のブログ

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「与えよ、さらば与えられん」

新約聖書の言葉らしいが、知らなかった。自分が他人から何かを与えてもらいたいなら、まずは自分から他人に与えよ、といった意味らしく、ビジネスの世界でも使われているようだ。「求めよ、さらば与えられん」などとも言うらしいが、どちらかが間違いなのか、両方ともあるのか、分からない。

私はキリスト教徒ではないが、その通りだと思う。昔、友人に焼き肉をおごってもらったのでお礼を言ったら「世の中タダはないよ」と言われた。一緒のチームで働く間柄だったので、私のいっそうの貢献を期待していたのかも知れない。が、その言葉にはどこかユーモアの響きがあり、私がその人に甘えようとするのを予防する一言だったのかも知れない、と今にして思う。その証拠に、その人は私の貢献度の高い低いに関わらず、いつも私には同じように接してくれた。

「与えよ…」は、きれいごとのようだが、他人に与えて見返りがなくても少しの後悔もないほど、まずは自分自身が足りていなくてはならないと思う。それがない限り、ただ他人に与えて自分が消耗するだけである。だから、まずは自分である。それも決して簡単ではないのだが。