「本の雑誌」2020年1月号の鈴木輝一郎「生き残れ!燃える作家年代記」は、⑨お金編「収入が低いことより固定収入がないことが恐怖なんでござる」でござる。
内容はタイトルの通り、作家の収入について書いたもの。私は、印税は不労所得だと思っていたが、「初版印税は事実上の勤労所得です」とある。不労所得は電子書籍、テレビ化や映画化などの映像化権料、コミカライズ料など。
そして、「小説家の収入を決定づけるのはなんといっても重版印税です」とある。そこを読んで私は、鹿島茂『パリの王様たち』(文春文庫、1998年)に、バルザックの『あら皮』などを含めた作品の重版について「作家にとって一番うれしいあの重版である」と書いてあったのを思い出した。
「作家年代記」には、
仕事の忙しい・ヒマと、収入の多い・少ないとは、あまり関係がない、ってことです。
とある。また、作家は固定収入がないが、固定支出は必ずある、ともある。