杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

明けない夜

明けない夜がある。そんなことを宇佐見りんが言っているようだ。春がこない冬もある、なんて言っている人もいる。

会社で仕事をしていると、明けない夜はない、と言う方がリアリティがある。仕事は時間と共に動いていて、どんなキツい仕事も必ず終わるからだ。仕事そのものも、今のところのルールだと定年を迎えれば終わることができる。

では明けない夜や春がこない冬というものは、あるんだろうか。ある。ワナビの目標達成がそれだ。こつこつ書き続け、チャレンジし続ければ、新人賞を取ったり、売れる作品を出したりできるかも知れない。が、できないかも知れない。いつ明けるとも知れぬ夜、いつ春がくるか分からない冬を過ごすのが、ワナビだろう。

いつか誰かが、成功はアートで、失敗はサイエンスだと言っていた。ワナビにとって、夜が明けるのは多分アートなのである。アートをやろうとしても恐らく駄目で、失敗を重ね、サイエンスで一歩ずつ前に進むしかないのだと思う。