杉本純のブログ

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いわゆる「嫁ブロック」問題

これは人材市場でよく使われているらしい言葉で、夫が転職や独立起業に意欲を示しても、妻の方がさまざまな理由から反対することを指す。「嫁」が夫のチャレンジを阻止するから「嫁ブロック」である。

夫が妻を納得させられない、あるいは妻が夫を理解できない、など要するに夫婦間でちゃんと意思疎通と協力体制ができていないことがこういう事態を招くのだろう。ただし、転職や起業というのはそれなりにリスクを伴うものだし、逆にチャレンジせず現状に甘んじることにもそれなりのリスクがあるので、リスクがあるのは同じことなのだ。だったら少しでも意欲が湧く方へ、あるいはストレスが少なくて済む方へ進むのが望ましいと思うのだが…。もちろん、現状に留まってその中で面白みを探したり創意工夫をしたりするのも良い。

リスクを抱えて挑戦するのがロマンだとして、そしてノーリスクがあり得ないのだとしたら、全ての挑戦はロマンである。男のロマンなど、妻にとってはどうでも良い馬鹿げたことであることが多く、共感できないことばかりだろう。だから妻は、「亭主の好きな赤烏帽子」さながら諦めて従うか、離婚するしかないだろう。経済的に夫に依存している妻が、そのどちらも拒否し、夫を現状に縛り付けておこうとするのは卑怯だし、狡猾だとも言える。

夫があまりに現実を見ず無謀なのだとしたら、それをブロックするのは賢明な行為なのかも知れない。だが逆に言えば、そんな馬鹿な夫と結婚生活を続けることは賢明ではないだろう。子供の養育のために夫の収入が必要だとか考えるのは、一見すると正当性があるが、子供は正直で頭が良い。父親が意欲が湧かない仕事をしているのを冷ややかに察知して、果ては夫婦のいびつな関係にも気がつくはずである。そんな状態が続いて良いのだろうか。。