杉本純のブログ

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馬鹿雑感

世間では「馬鹿」という言葉が肯定と否定の二つの使われ方をしている。多いのはやはり否定の方で、これは「間抜け」みたいな意味で使われる。一方の肯定的な使われ方は、あれこれ頭で考えず熱心に取り組む、いわば「愚直」の意味で使われていて、ある人が言うには、経営とか発明で成功した人の多くは馬鹿らしい。

最近思うのは、世間のいわゆる馬鹿というのは、肯定にしろ否定にしろ、勉強ができないとか、論理が破綻しているとか、筋道だった考え方や構造的な思考ができないとか、そういうのとは関係ないのではないか、ということだ。いわゆる馬鹿とは、対人関係(もしくは他人も見ている公共の場)で不味いことをやってしまっている人のような気がする。SNSの他人の発言を見ていて、よくそう思う。

馬鹿にされる人というのはたいてい、妙に自己顕示欲が強く、自意識過剰で、それが裏目に出て言う必要のないことを言ってしまっている人である。他人より秀でるものがないにも関わらず自分は優れた人間だと思っていて、なおかつ勉強や練習といった努力をしないままああだこうだと言う。けれどもすぐに矛盾や論理破綻などを指摘され、困った顔をして、馬鹿だと言われることになる。もったいないことだ。いい加減な発言をしないだけで馬鹿の謗りを免れられると思う。