杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

机の上から

川端康成ノーベル文学賞を受賞した時、三島由紀夫伊藤整が川端を囲んで談話した。二十分ほどの談話だったと記憶するが、その中で三島が、川端が夜な夜な机に向かい、原稿を書く、そういう営為を経て生み出された作品がノーベル賞という国際的な栄誉につながったことが感銘が深い、と言っていた。

この三島の言葉はけっこう印象的だった。特に小説なんてものは会社のオフィスで人と一緒に作るもんじゃなく、夜か早朝にでも一人で机に向かい、原稿とにらめっこをしながら生み出していくもので、それが所定の手続きを経て世の中に発信されるのだ。

また、TwitterInstagramはちょっと趣が異なると思うが、ブログも同じようなもので、書き手が一人で考え、机の上で書いたことがパソコンを経由してインターネット上に発信され、世界中の他人がそこにアクセスするのである。

物書きにとって、机の上ほど大切な空間はないと思う。