杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

風土記

鉄道や川、村や半島など、地図上で特定できるエリアや文化圏を主な対象に、そこに息づく人や文化、産業などを取り上げているテレビ番組があり、面白くてよく見ている。

人間は街に住み、その地域の文化や産業に接して生きている。住環境から少なからぬ影響を受け、その歴史が進む中で自分の人生も流れ、文化に染まり、しばしば文化を体現したりもするだろう。

ある地域の歴史や文物を記録した地誌を「風土記」というが、よく見ている番組からは、人の姿を通して地域の歴史や文化が見えてくる。番組はまさに風土記と言えると思う。

私自身、街とか都市というものに興味があってあれこれ調べもするし、歴史も嫌いじゃない。言うなれば風土記的なものに興味があるのだと思う。

思えば昔、川崎市麻生区にある「弘法松公園」の弘法の松という松の木が気になり、志村昇という人が書いた「弘法松風土記」という本を手に取ったことがある。近所の公園と松の木に関する歴史や、その周囲に生きる人たちのことなども書いてあって面白かった。学校を出た後はタウン誌の仕事に携わり、多くの街の人たちと接して記事を書いたものだ。今にして思えば、あの頃に書きまくった記事は風土記の断片のようなものだったかも知れない。

今も見よう見まねレベルの情けなさながら、このブログで風土記を書いている。もっと内容を稠密にしていきたいと思っていて、それは自分のライフワークであるような気がしている。