杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

映画『ジュリー&ジュリア』を観た。

最近、『ジュリー&ジュリア』という映画の存在を知り、それがブログをテーマにしたものだというのも知って興味が湧いたので、さっそく観た。

2009年のアメリカ映画。監督・脚本をノーラ・エフロンという人が務めている。主演はメリル・ストリープエイミー・アダムス

戦後、ジュリア・チャイルドという外交官の妻が料理本を出すまでの軌跡と、現代、ジュリー・パウエルという公共機関で働く女性がジュリアの料理本をなぞって自ら作った料理のことをブログに毎日書き、書籍化されるまでを描いた話。異なる時代の二人の女性の挑戦と奮闘が交互に描かれる、軽快なタッチのドラマだ。

どうしてこの映画を観たのかというと、ブログを毎日更新して成功を摑んだ女性の話、ということで興味が湧いたから。

ジュリーはジュリアが書いた500以上のレシピを、一年という期限をつけて毎日再現して記事にするが、観ていて私は、ブログというのはやはり毎日アップが基本なんだな、という思いを改めて持った。そして、ジュリーは時に落ち込んだり愚痴を吐いたりするものの、基本的には料理というテーマの下、他人に向け、いささか気負いながらも楽しみながら毎日挑戦していたのが映画から感じられた。毎日やり続けるにはやはり楽しみながらでないと難しいだろう。

料理のレシピ本をテーマにした辺りは、ネタの枯渇に苦しまなくて済むし賢いなぁと思った。ただし、世間に対し何か発信するのは、単一でなくてもいいがそれなりにテーマを設けてやるのが必須だろうとは思う。

ジュリアの方は、環境に翻弄されながらも奮闘を続け、ついに本を出す。ジュリーの方も、夫との間に不和を生じさせながらも地道な努力を続け、ついにレシピを制覇する。

女性が自らの生きがいを感じながら生きる姿を描いた女性応援歌のような映画。けれどもどうも、二人とも夫が理解力があり過ぎるというか、身近にいるパートナーがああも優れた理解者だったらそりゃうまくいくわ、と思わせる。総じて、どうも上手くいきすぎだよねこれは、と思うところが多かったが、これはそういう描き方なんだろうとも思った。ジュリアの方は、時代背景といい、夫婦が置かれた境遇は映画に描かれたものとは違う深刻さもあったんだろうし、ジュリーもブログが知られるようになると上司から苦言を呈されたりするがこれもキツイものがあるだろうと感じた。

また映画の最後の方、ジュリーのブログに対し、ジュリア本人が(存命だったんだと驚いた)批判的だというのが知らされる辺り、サラッと描いていたが実際はどうだったのか。ジュリーは自ら努力したとはいえジュリアのネタを借りて出世したようなもので、実際は映画のような明るい感じでもなかったのかも…という気もした。

この映画の背景に関する事実は一切知らない。けれどもそれはあまり関係ない。映画の中では、努力の成果が人生や世界を変える、といったセリフが使われていたが、ジュリーやジュリアのように毎日コツコツとやり続けた人が勝つんだと思う。