杉本純のブログ

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紫式部は「こじらせ女子」だった。

先日放送された教育テレビ「先人たちの底力 知恵泉」の紫式部の回は、紫式部が「こじらせ女子」だった、という内容。しかし、紫式部はこじらせまくっていたにも関わらず、そこからきちんと自己肯定をしていったという。

私は『紫式部日記』やそのマンガ化した本も読んでいないが、『源氏物語』を書いたインテリ女子が実はこじらせていた、というのは単純に面白い。

それにしても、いみじくもこの番組が証明したように、いわゆる「こじらせ」というのは千年前にも存在していたわけで、雨宮まみが流行させたことによって概念が言語化されたように見えるが、概念自体は昔からあったのである。考えてみると、最近よく言われる「自分軸」というのも、漱石がすでに「自己本位」と表現していた概念だし、もしかしたら明治以前にも存在していたかも知れない。

ワナビ」というのも、恐らく昔からわんさかいたはずだ。この番組を見ると、貴族の人間関係とか、身分の差とかがいかに人生を左右するかが分かるので、実力に見合わぬ境遇を与えられて苦しんだ人は今よりずっと多かったろうとも思う。現代でもそれはあるが…。