杉本純のブログ

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恋愛観

大学生の頃、長篇恋愛映画のシナリオを書いて日本シナリオ大賞に応募したが、受賞できなかった。また以前、仕事で小説の執筆をした時に、編集長から「純愛」をテーマに書け、と言われ、青春小説ながらそこに異性への恋愛めいた思いを入れて書いたことがあったが、果たしてそれが「恋愛」と呼べる感情だったかどうか、今も自信がない。

その頃のことを思い返すと、たぶん私はまだ恋愛というものに憧れを抱いていたように思う。それはきっと、恋愛をするのは人間として至上の行為であり、それをしない人は軽蔑されるべきだ、というような思い込みがあったからだと思う。しかし、まぁそんなことは全然ないだろう。

年齢とともに経験も重なってきた今、思うのは、「恋愛」という行為には相手の心を奪おうとする側面がある、ということで、自分は小さな頃から、人に心のみならず何かを奪われることをひどく恐れていて、だから恋愛という行為には向いていないということだ。

以前誰かが、恋愛は、相手を楽しませ、自分を楽しませ、良い思い出を作っていく知能ゲームだ、と言っていたが、言い得て妙だと思う。恋愛には確かにゲームの側面があると思うし、「楽しませる」という部分が、ハラハラドキドキ、ワクワクすることを含んでいる。それはすなわち「心を奪う・奪われる」ということにつながるのだろう。

そういうのがどうも苦手なのだ。