杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

どこでどう笑うか

最近気がついたのは、人の性格や思考、はたまた頭脳の程度に至るまでが、その人の「笑い」によって分かってしまうという、ある意味で当然のことだ。

笑いにはそもそも暴力性があるらしいので、どういう場面でどう笑い=暴力を用いるかに人間性が現れるのは当たり前である。

愛情を表したり、同調したり、同調しつつ不快感を露わにしたり、見下したり、誘いをかけたり…。「〇笑」の〇にはさまざまな漢字が入るが、その数だけ笑いの種類があるということだろう。

小説を読んでいると、時々「はははは」と笑い声を台詞にしている箇所に出会う。つまり、そこでは人物の人間性が端的に表現されていると考えてよいのではないか。しかし、どうもその個所を読んで人物の人柄や思考が伝わってくることは少ないように感じる。笑いは、使いようによっては人物描写に巧く使えるはず。