都営三田線「西台」駅に隣接する志村車庫の上には約3万5千平方メートルの人工地盤がある。都営西台アパートはその上に建てられており、地面から隔絶されていることから、宮崎駿の映画になぞらえ「ラピュタ」とも呼ばれている。
団地や建築に興味のある人の間では有名なのだろうが、そうでない人ならまず知らないだろう。私は高島平に住み始めて十年近く経つが、このアパートの特異さを知ったのは最近だった。
見てみると、すごい。人工の地盤の上に、本当に巨大アパートが建っている。全4棟あり、いずれもツインコリドール型。棟番号が5、6、7、8となっているのは、線路を挟んだ向こう側に建っている東京都交通局志村寮からの通し番号になっているかららしい。
建物の下はピロティになっており、西台駅から来てそこを通ると志村寮の方へと続いていて、高島平九丁目の界隈へと抜けられる。
棟と棟の間には中庭がある。そういえば映画『ラピュタ』のラピュタ島にもロボットが守る庭園があった。
高島平にはいくつも小学校があり、人工地盤の上にはかつて「高島第四小学校」があった。今は駐車場になっているが、その片隅には学校のプールが名残をとどめており、往時を偲ぶことができる。
高島平といえば高島平団地だが、こちらの都営アパートも見ものだ。