杉本純のブログ

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神田上水石樋

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先日、東京都水道歴史館に足を運んだ。中をゆっくり見ることはできなかったが、水道とか治水というのは実に面白い技術だと思っているので、また時間を見つけてじっくりと見たい。

さて歴史館の外には本郷給水所公苑という、給水所上部の人工地盤の上に作られた公苑があり、そこには昭和60年代に発掘された神田上水遺跡の一部を移築・復原した神田上水石樋があって、興味深かったので写真に収めた。

神田上水天正18年(1590年)に徳川家康が大久保藤五郎忠行に命じて開削させたのが始まりだと伝えられている。日本における最初の上水道といわれ、近代水道が整備されるまで人々の暮らしに大きな役割を果たした。そしてこの神田上水石樋は、1987年に神田川分水路の工事中に発掘されたものの一部である。四百年近くも土中に埋もれていたにも関わらず、原型を損なっていないのは、往時の技術水準の高さを物語るものだ。

…だいたいそんなことが、石樋の傍らの「神田上水石樋の由来」という石碑に記されている。その文章は、1990年に杉本苑子が記したもの。

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地中に埋もれていながら四百年も朽ちずに残っていたのだからすごい。まさに江戸の土木遺産である。

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