杉本純のブログ

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洋泉社

映画秘宝」を出していた洋泉社が1月31日をもって事実上、消滅した。宝島社に吸収合併され、「映画秘宝」は休刊、従業員は宝島社に雇用されるとのことだ。

Twitterでは編集者の田野辺尚人がその旨をツイートしていて、多くのコメントが寄せられている。田野辺は「映画秘宝」の創刊メンバーだったらしいが、ツイートでは洋泉社の名付け親は埴谷雄高だと書いていて、知らなかったので驚いた。

埴谷は福武書店の文藝誌「海燕」の名を提供したこともあるし(命名ではない)、佐伯一麦の高校時代の同人誌『青空と塋窟』が埴谷の「橄欖と塋窟」からヒントを得たものと思われるし、高いネーミングセンスの持ち主のようだ。

さて、洋泉社には『僕たちの大好きな団地』という本(2007年)があり、田野辺のツイートに対し会社消滅を惜しむコメントを寄せた人の中に、この本の存在の大きさを述べていた人がいた。私は何回かこの本をパラパラ読んだことがあるが、原武史の寄稿や、映画に取り上げられた団地のこと書いた記事もあり、面白い。

あまり洋泉社の本をたくさん読んでいたわけではないのでこんなことを言う資格はないが、こういうマニアックな本を出す版元がなくなるのは寂しい。