連載26回目。最終回である。
この小説は同人誌に発表したもので、「名前のない」とは「タイトルがない」という意味。主人公の「名前」は、最後に苗字だけ出てくる。
本作は、「読書人」の同人雑誌評に取り上げられたことがある。わりに好意的な評価を受け、当時の私は狂喜し、有頂天になったものだった。
俺はもう書ける! 同人誌なんかでしこしこ書いてないで新人賞を狙おう! といった自惚れと野心が萌したのは、「読書人」での好意的な評価が一つの要因になっていたのは間違いない。しかし、後に私は同人誌に属しながら新人賞応募をし、退会した後にも応募をしたが、いずれも一次選考すら通らず非力を痛感した。
さて本作…今読むと、よくもまあこんな作品で自惚れたもんだと思う。小説として幼稚だし陳腐だし、仮にこの作品を新人賞に出しても一次選考も通らないだろう。ちなみに本作は「労働者文学賞」というマイナーな賞に応募し、入選も佳作も逃したがそれ以外の注目作としていちおう一定の評価を受けた。
まあ過去のことなど捨て去って、新たな作品を書く。
「創作の部屋」は、ちょっと休みますが今後も続くので乞うご期待。