杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

赤塚諏訪神社富士塚

磯崎憲一郎による朝日新聞の「文芸時評」(1月30日)の最後に、黒田夏子の「山もどき」(「文學界」2019年2月号)が紹介されている。

「山もどき」は、「富士塚」をめぐる老人の回想を描いた掌編。富士塚とは、富士山登拝を目的に組織された「富士講」の人々によるミニチュアの人造富士山を指すらしい。富士講は十八世紀以降に爆発的に広がり、富士塚も各地で盛んに造られたとのことだ。

黒田の作品は、小説とは言い難いごく短い随想めいた内容で、私はぜんぜん面白くなかったが、これを読んで富士塚が近所にあったのを思い出した。

「赤塚諏訪神社富士塚」と呼ばれているもので、板橋区の登録記念物(史跡)になっている。

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赤塚諏訪神社富士塚

実際、かなり小さい築山みたいなもので、これが富士山を模して造られたというのが、あまりリアルに想像できない。

各地の富士塚の中には、毎年七月一日前後に、富士山の山開きに合わせて祭礼が行われているところがあるらしい。ここではやっているのかな?…