杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

松本清張と鉄道

西村雄一郎の授業

NHKの「新日本風土記スペシャル『松本清張・鉄道の旅』」を見ました。私は風土記が好きで、大切だとも考えていて、この「新日本風土記」はよく見ています。松本清張をテーマにしたものは他にもあったはずですが、鉄道の旅を中心としたものは初めて見ました。初回放送日は2020年5月8日なので、再放送ですね。

清張の人生は詳しくないですが、よほど旅好きの人だったらしく、全国各地に足跡があります。現地の人ともよく交流したようで、番組はゆかりの地に生きる人たちの人生と清張への思いを紹介していました。

その一人である映画評論家の西村雄一郎は、私は日本映画学校で見たことがあります。見たことがあるというか、映画技術に関する授業を受けたのでよく覚えています。西村は、清張の短篇「張込み」が野村芳太郎監督で映画化された際にロケ地に選ばれた佐賀市の老舗旅館の息子です。ロケ隊が旅館を使ったことで西村は俳優などと交流し、それが映画の世界を目指すきっかけになった、と番組で語っていました。

私は在学中に学校で映画『張込み』を観ましたが、その上映は西村の授業の一環だったかもしれません。いずれにせよ、西村が旅館の息子だとは知りませんでした(本人は話したかもしれませんが覚えておらず)。西村の授業というと、本広克行監督が若い頃に手掛けたテレビ番組「アメリカの夜」を使い、映画の演出や撮影の技術を紹介するものが印象に残っています。だから私は、西村から映画の技術を教わったと言えるのかどうか。。とまれ、当時の私は映画のえの字も知らない学生でしたので、番組はけっこう面白がって見ていました。

松本清張と鉄道というと、赤塚隆二『清張鉄道1万3500キロ』という本(文春文庫、2022年)もあります。つまり鉄道だけで研究対象になり本にもなるということですね。