タウン誌の編集とライターをしていたので、地元のさまざまな動きにはけっこう興味がある。今はライターとして企業による不動産開発や建設現場を取材することもあり、タウン誌で外側から見聞きしていた街の動きが、現場ではどういう人たちがどういう風に動かしているのかを直接見聞きさせていただくこともあり、実に面白い。もちろん耳に入る話は美談だけではなく、開発によって涙を吞んで地元を去る人などもいる。
私の住む高島平には「高島平新聞」という地域新聞があり、毎号楽しく読ませてもらっている。先日、第583号が発行・配布され、さっそく読んだ。1面は「高島平」という地名が誕生して2019年で50周年になることを伝える記事が載っており、区画整理がされた1969年の時の高島平の航空写真も掲載されていて面白く読んだ。
私にとって、地元のことを知るのは、書き物をするためのベースの知識を身に付けることだ。小説やノンフィクション作品の題材となる一個の「話」は、それが展開した「場」が必ずあるから。その「場」のことをきちんと描けるようになれば、話の臨場感はグッと高まるだろうと考えている。