このブログではエッセイを多く載せているが、最も載せたいのは創作へのリンクと文学研究、地域研究、つまり「書き物」である。しかしこれらは思いついたら即座に書いてアップできるブログ記事やつぶやきとは違い、調査したり構成を考えたりしてから書くので時間がかかる。だからなかなか記事を投稿できず、心苦しい限りである。
○○さえなければ…と思うことはしばしばあり、この「○○」にはさまざまな事柄が入る。概ね、社会人であればさほど珍しくないものごとで、もとよりそれを自分の人生に介入させたのは私自身だから言い訳できないし、するつもりもない。けれども書き物が思うように進まないことに、時として苛立ってしまう。
以前の私は、遅々とすることに我慢ができず、苛立ちを周囲に撒き散らしていた。だが最近気がついたのは、そうした営みが、遅々としながらもきちんと進捗しており、その上、遠回りしたり、別の荷物を背負いながら進んだりしていることが、その歩みにプラスに働いているということだ。
夏目漱石は芥川龍之介や久米正雄に「牛のように」進むことを教えたそうな。これだけ変化が早い世の中、それに応じて自身もすみやかに変化しなくてはならないと思いがちだが、牛のように歩むことがどうしても必要なこともあると思っている。