杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

沈黙は金雄弁は銀

この言葉は、沈黙が最上の分別だという意味である。近ごろ、そのことをよく実感する。つまり、「見ざる聞かざる言わざる」じゃないが、とにかく余計なことはしないに限ると思うことが多い。

二十代や三十代の頃はそうではなかった。どんなことも見たい、聞きたい、言いたい。感情を抑えられず、恐れもなしに思ったことを我慢せず口に出していた。

けれどもここのところは、言う必要がないことは沈黙しておくのが一番良いと強く思う。それを言ってしまったら聞く側がどう感じるのかがある程度想像できるようになったし、沈黙することが最も強いメッセージになることもあると考えるようにもなった。

かといって、言うべきことはやはりきちんと言わなくてはいけないし、見るべき事実から目を背けてはいけないし、耳の痛いことでも聞くべきことは聞かなくてはならない。それは当たり前である。目的があるなら、そこには妥協なく目や耳や口を向けるべき。益も害もないことなら、感情にまかせて不用意に口を出すべきではないと思う。