杉本純のブログ

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創造と自己肯定

たしか美輪明宏さんの『人生ノート』(Parco、1998年)に、人間は一日に一回は自分に自信を持つ時間が必要だと書いてあったと記憶している。

これを最近、痛切に感じる。というのは、やはり自分に自信を持てる出来事がないと不甲斐ない思いにとらわれてしまい、物事がどんどんマイナスの方に行ってしまうと思うから。逆に自信を持って色んなことに取り組めていると、甲斐性がどんどん出てきてずんずん前進できると思えるのだ。

勤め人は、基本的に他人の言うことを聞く時間を過ごすので、よほど創造的な業務に就いていない限り、何か成し遂げてやり甲斐を味わったり自信を持ったりするのは難しいかも知れない。

例えばライターは、面白い取材をして、それを面白い記事にまとめることができれば、そのことがやり甲斐になるし、読んだ人から褒められれば自信につながる。そういう創造的な面があればいいのだが、そういう仕事ばかりではないはずである。

私はライターであると同時に勤め人でもあるが、思うに、勤め人であるかどうかに関わらず、自分の意思を表現しない、創造的なことをやらないのは心身ともに毒である。毎日張り合いがなく、自分のことも周りのことも嫌いになり、ひねくれてしまう。それは損なことだし、周囲の人にとっては害になる。美輪さんが言うように、一日一回、自信を取り戻す時間を持ち、自分を肯定できると良いと思う。