杉本純のブログ

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創作雑記13 計画実行は規則正しく

会社勤めをする中でなかなか規則正しい生活を送れないことが、これまで小説の創作が思うように進まなかったことの要因としてある。

これは勤め人をしながら創作をしているワナビの多くが悩む(悩んだことがある)問題ではないかと思う。定時で必ず退勤できる仕事に就いている人ならいざ知らず、そうでない仕事の場合はどうしても帰宅時間が一定にならず、そのために毎日のように原稿を書き進めることができなくなってしまい、あげく調子が狂ってしまう、ということがあるのではないか。

いったん調子が狂い始めるとつらい。机から離れる時間が一日、二日と続いてしまうと小説はどんどん頭から遠のいていく。三日も戻ってこないでいるともうストーリーのことなど頭からすっ飛んでしまったようになり、やっとこさ机に戻れた時には一からやり直しになってしまったような気分になるのだ。私自身、そういう状態に何度も陥り、歯がゆい思いを繰り返してきた。

けれども最近は知恵がついて、一週間の中で睡眠を除いた時間をどのように創作に使うか、表を作って明確に区分するというやり方で進めていて、これがけっこう上手くいっている。以前は、とにかく毎日一行でも一文字でも書かなくてはと気張り、睡眠時間を削るなどして机に向かっていた。しかしこれははっきり言って逆効果だった。歯を食いしばって書こうとするよりも、もっと悠然とした態度で小説に臨む方が創作する上では有効で、頭の働きのことを考えると睡眠時間は削らない方がいい。

これまでの経験から、創作の進行を阻害するものが日常生活を送る中でいくつも発生することは重々承知している。そういうものをも加味した上で表を作るのである。そしてどの時間を創作に費やすかというと、まず間違いなく誰にも邪魔されず創作に没頭できる時間にするのだ。

これをやり始めてからというもの、ちょっと小説の進み方が変わってきた。創作時間以外の時間は小説のことをあまり考えないようにし、やるべきことをきちんとやる。小説から離れざるを得ない時間が続き、場合によっては二日、三日とほったらかしになることもあるのだが、不思議なことに、決めた時間に計画どおり小説に臨むことで、小説の世界に以前よりもはるかに早く没入できるようになった。

特に勤め人をしながら創作をしているワナビにとって、こういう規則正しい計画実行こそが成否を分けるのではないかと最近は思っている。