杉本純のブログ

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映画『キャリー』を観た。

ブライアン・デ・パルマ監督『キャリー』を観た。

1976年の作品である。キングの原作を読んでから観ようと思ったが先に観ることになった。

高校の同級生たちがキャリーを陥れていく過程をもっと丁寧に説明する方が良いのではないかと思ったが、ぜんぶ観てみると、そんなことをしていたらテンポが落ちて退屈してしまうのではないかとも感じた。

とまれ、完全な脚本ではないと思う。特に気になったのは、いじめっ子のグルであるはずのトミーの心情が、あれではキャリーに傾き過ぎではないか。べつに傾いても構わないのだが、こちらにはあまり納得感がない。傾くくらいに、実はキャリーがステキな女だったと思うしかないのだろうが、それならもうちょっとストーリーをひねる必要があったとも思えてしまう。

借りたDVDには特典映像がついていて、関係者にインタビューをしているのだがこれが面白かった。ホラー映画だからこそ息抜きできる面白いシーンが必要だというデ・パルマ監督の言葉には、なるほど、と思った。

ビル・パクストンがこの作品の美術監督の助手をしていて、養豚場のロケ先を見つけてきたエピソードなどは、へぇ~、と思った。

私の高校時代の英語の先生はキャリーを「かわいそうだ」と言っていたが、その通りだと思う。