杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

帰還

近年、私は自己啓発書やビジネス書や健康本の類いを多く読み、そのぶん、小説の読書から遠ざかっていました。完全に断絶してしまったわけではなく、ほそぼそと読み続けてはいましたが、量的にかなり落ちていたのは事実です。自分は実は小説など好きではなかったのではないか、という疑念が生まれたことすらありました。

それが最近、内側から小説への情熱、つまりたくさん読んでたくさん書きたいという、小説世界への没入の欲求が大きくなっているようです。

思えば、私が啓発書の類いに手を出したのは、コロナ禍などを背景とするいろんな困難が原因でした。多くの難問にのしかかられ、このままではまずい、今までのやり方ではどうしてもこの先やっていくのが難しそうだと、無意識のレベルで感じ取っていたらしい。睡眠障害が出てきたので睡眠の本を読みましたが、それは意識的にやったことであるものの、ライフデザインとかHSPとして生きていくヒントの本などは、意識したというよりは何となく惹かれて手に取った、つまり「ピンときた」ことが読むきっかけになりました。

それぞれの読んだ感想はこのブログに縷々綴っていますのでここには書きませんが、それなりの冊数を読んだこともあり、人生の捉え方や人間関係のつくり方、日常生活の送り方に至るまで、最適解とは言わないまでもそれなりに有効な選択の仕方がわかった気がします。

それで今は、小説や創作に関する本を増やしていきたい気持ちになっています。言うなれば、小説世界に帰還してきたような感じです。啓発書の類いをばっさり切ってしまおうとは思っておらず、これからも読むでしょうけれど(現に今も読んでいます)、量的には少なくなっていきそうな気がします。

日本人は義務教育でお金の教育を受けていないのでマネーリテラシーが概して低い、と聞いたことがあります。それゆえにお金で苦労し続けているのでしょうけれど、だとしたら、お金の教養は本来多くの人にとって必要なもので、それを身につけなかったから苦しんでいる、ということでしょう。どうも私は、自分がここ数年で目を通した本に書かれていたことは、自分は本来、社会へ出る前にでも身につけるべきことだったような気がします。