杉本純のブログ

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仕事と自己実現

最近、キャリアや仕事への意欲の保ち方などについて、人と話す機会がありました。その話し合いの中では「成長」というキーワードが頻出していたように記憶しています。

私としては、仕事を通して自分の「成長」を期するのは、悪いことではないが義務でもないため、その話し合いは私にとっていまいち腹に落ちない、気持ちのよくないものでした。

以前このブログで「やりがい搾取」について書きましたが、給料に満足していない、業務内容にやりがいを感じない、という社員に対し、そういう不満はあるだろうが君はまだまだ「成長」できる、だから頑張ろう、と引き続き働くことを促す行為も、やりがい搾取に通じるものがある気がします。

「成長」は自己実現に結びつきやすいキーワードです。ですが、人間は仕事を通して自己実現をしなくてはならないわけではありません。冒頭に述べた話し合いは、全体に、仕事を通して自己実現しよう、といった雰囲気が強く、恐らくそれが私が気持ちよくなれなかった要因の一つではないかと思います。

ちなみに私は、個人的には仕事で自己実現するのはけっこうなことだと思うし、私自身、仕事で自己実現しようと頑張っている面があります。ですが、そういう考えはあくまで私個人のものであり、他人に押し付けるつもりもなければ推奨するつもりもありません。仕事にどのような姿勢で臨んでも、それは当人の勝手でしょう。