杉本純のブログ

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氷と水

シド・フィールド『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術』(フィルムアート社、2009年)を読んでいる。最初の章「映画脚本とはなにか」に、こんなくだりがある。

 よい構成は、氷と水のようなものだ。氷は結晶構造を持っている。水は分子構造である。氷が溶けてしまったら、どの分子が氷のものであるのかを示すことはできない。
 構成とは、ストーリーを一つにしておく糊のようなものだ。構成は、ストーリーにとって基礎であり、土台であり、骨格である。構成という関係性によって、脚本は一本にまとめられているのである。これが、物語構造のパラダイム(見取り図)である。

氷と水のような構成。。分かるようで分からない。まとまりを持ったエピソードが氷で、それを集めたストーリーの全体が水、ということか。

この本では、すべてのストーリーに「発端」「中盤」「結末」があると述べられているが、小説も含めた場合、それが事実かどうか、知らない。けれども、小説を書く上でヒントになることがたくさん入っていると感じる。