杉本純のブログ

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シド・フィールド『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと』

シド・フィールド『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと』(フィルムアート社、2009年)を読みました。

著者はアメリカの脚本家で、シナリオ講師でもありプロデューサーでもあります。ジャン・ルノワールサム・ペキンパーに師事し、『ゴッドファーザー』『アリスの恋』『アメリカン・グラフィティ』などに関係したそうです。本書は22か国語に翻訳され、アメリカでは400以上の学校でテキストとして使用されているというので、シナリオの基本書といっても差し支えないかと思います。

本書のことは以前から知っていましたが、鈴木輝一郎『何がなんでもミステリー作家になりたい!』(河出書房新社、2019年)に、三幕構成についてはこの本に書いてある、といったことが書かれていたので、買って読み始めました。

三幕構成は第一幕が発端:状況設定で、第二幕が中盤:葛藤、第三幕が結末:解決という構成の仕方になっていて、本書は、そのパラダイム(見取り図)を知ろうと述べます。第一幕から第二幕、第二幕から第三幕へとつなぐポイントについても述べられ、分かりやすい。

私は日本映画学校で脚本の授業を受けましたが、とにかく書いて書いて、それに対し講師から指導を受けていましたが、三幕構成についてきちんと教わった記憶はありません。あと、学校は実習中心だったので現場でフィルムを回すピクニックのような楽しさがありましたが、もっときちんと「形」を教わりたかったな…と思います。

本書に話を戻すと、三幕構成の他にも「アクションこそキャラクター」とか、何となく分かっていたけどきちんと認識していませんでした。

創作のかたわら、作品を「形」にする意識を維持するために時には読み返したいと思います。