杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

読まれてなんぼ。

先日ある方が、このブログの姉妹ブログに掲載している小説を読んでくださり、良い小説だと褒めてくださった。ブログに掲載して世界に発信しておきながらこんなことを書くのはおかしいのだが、読まれたのは過去の不出来な作品であり、褒めていただいたのはうれしいが、ちょっと忸怩たる思いもある。

だから、褒めてくださった言葉にどんな風に反応すれば良いか、ちと判断に迷ってしまった。ここで自分が反応したのを第三者が見て(その方とのやり取りはSNS上でのことだった)、私の小説に興味を持って読み、不出来であるのが分かって失望されたらどうしよう…などという自意識過剰も発揮してしまい、反応するのを躊躇したのだ。

が、それから程なく、私はその人にSNS上で普通に礼を言った。そのやり取りを見て誰かが拙作を読んでくれるなら、それはありがたいことだと思い直したのだ。駄作に失望されることもあるだろうが、小説はやっぱり読まれてなんぼである。思えば私もプロ作家の作品を下らないと思うことはあるわけだ。それはそれで当たり前のことなわけで、やっぱり小説は読まれてなんぼ。書かれた小説にとって最も悲しいのは、読まれないことだと思う。