よく晴れた秋のある日、北区と板橋区にまたがる都立浮間公園に行ってきた。
この公園は、現在も近くを流れる荒川がかつて蛇行していて、その中に浮島のように存在する湿地だったらしい。そのことから、江戸時代から「浮間ヶ原」と呼ばれ、桜草の自生地として有名だったらしい。田山花袋の「一日の行楽」や永井荷風の「葛飾土産」で言及されているそうなので、こんど読んでみるつもりである。
荒川の流路が変更され、都市化が進むにつれて桜草は姿を消していったそうだが、地元の保存会が今も守っている。
浮間ヶ池には鴨が多数、浮かんでいて、釣り人の姿も多かった。この池の水が公園の生態系を支える仕組みになっているようで、公園の奥の方にはバードサンクチュアリや水生植物園などもある。
そういう学びの要素だけでなく、周囲にはベンチが多数、設置されているし、草場も多く、子供用の遊具もそこかしこにあって、バランスの取れた公園だなぁと思った。
私としては、桜草を保存する「桜草圃場」が興味深いので、桜の咲く頃にまた来てみたい。