杉本純のブログ

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駒込にいた佐伯一麦

佐伯一麦『月を見あげて』(河北新報出版センター、2013年)の「六つの十五夜」は、2011年9月12日の中秋の名月を切り口に、それまでの震災以降の六回にわたる十五夜の思い出を述べたもの。

9月12日、佐伯は東京に滞在中で、その日は駒込の商店街の鮨屋で早めの夕食を取ったらしい。その日は仕事が残っていたようで、早々に宿へと引き上げる道すがら、ビルとビルの間に中秋の名月が浮かんでいるのを見た。「六つの十五夜」の記事には、その月の写真も付いている。

駒込のどこだろう。鮨屋の大将は七十がらみだったというが、店は約九年が経っている今では営業していないかも知れない。どうして気になるかというと、駒込は当時の私の職場から近かったからで、もしかしたら私は佐伯とすれ違ったりしていたかも知れない。