杉本純のブログ

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白状

2月27日、第35回太宰治賞の一次選考通過作品が発表された。私が知る人は、その賞に応募していたようで、一次選考を通過していなかったことをSNSに投稿していた。一次通過者の中には自分よりずっと年上の人もいたらしく、自分はまだまだ頑張らなくては、と述べていた。

その投稿を見て私は率直に、敗北を隠さず周りに正直に言い、絶望している気配もなく、なおかつこれからまた果敢に挑戦しようとしている様子に感服した。

私も正直に白状すると、かつて「新潮」と「文學界」の新人賞に応募し、いずれも一次選考を通過できなかった。忘れもしない、「新潮」の方は高橋弘希が『指の骨』で受賞し、「文學界」は沼田真佑が『影裏』で受賞した。両作はともに芥川賞候補にもなり、『影裏』の方はそちらも受賞した。

私はけっこう、一次選考を通過できなかったことに絶望し、ふさぎこんでいた。その後、いろいろあってさらに新しいのを書いて応募することができておらず、今に至る。

こんなんでは駄目だな、と思う。その作品が駄目なら次、その次も駄目ならまた次、という風にどんどん書いていかねば。

不思議なことに、誰かの受賞報告に接するより、落選報告に接する方が闘志が湧いてくる。俺も頑張るぜ。