杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

黒澤明に学ぶ

何で読んだか忘れたが、映画監督の黒澤明は助監督時代、激務に追われながらも本を読み、シナリオを書いていた。そんな実体験を踏まえ、監督を目指す助監督は一日一枚シナリオを書け、それを一年続ければ長編シナリオが確実に一本書き上がるから、と言ったという。

シナリオにしろ小説にしろ、勤め人をしながら創作を志す者はすべからくそうするべきだと思う。私の周囲には、勤め人生活に堪えきれず、「俺はこんなことをするために生きてるんじゃない」みたいなことを言って職を抛棄してしまった人が何人かいた。

私自身、繁閑の差がある会社員生活を続けながら創作を続けるのが辛く、また近年は私生活もかなり忙しくなってきたこともあって、いっそのこと会社を辞めてしまいたいと考えたことが何度もある。しかし冷静になって考えてみると、今いる職場から無闇に離れてしまうのは賢くなく、そもそも創作が本望なら新しい職場に移ってしまうのは、よほどのことがない限りけっこうな負担増になることが分かった。

仮に職場が暴力があり待遇がひどいブラック企業なら話は別だろうが、いずれにせよ、創作だけで生計が成り立たないなら他のことで生計を立てるより他なく、創作は時間を作って行うしかないと思う。それに、黒澤明のように一日一枚でもコツコツ書き継ぐことができないなら、創作者になどそもそもなれないだろう。

ちなみに、創作を続けつつ、会社でもバリバリ仕事をしてパラレルキャリアを積んでいく、というやり方もある。双方ともに意欲があるならやっていくのも良いと思う。