板橋区の某古書店にふらりと立ち寄ったら、三木卓『ミッドワイフの家』(講談社、1973年)があったので驚いた。状態もいいし安価だしで、迷わず購入。この小説は近く、水窓出版というところから復刊されるのだが、表題作の他に「炎に追われて」と「巣のなかで」が収録されているので内容は同じ、しかもアマゾンで買うよりも安いのでお得な買い物となった。
こういうことは、ごくたまにだがあるのである。
若い人が経営している新しい古書店の場合、ホームページで入荷した本を紹介したりしているが、街に古くからある店だとそうでない場合が多い。しかし当然ながら古書店というのは売りに来る人がいる。また、例えば読書家が死んだりするとその奥さんなど家族が大量の蔵書の引き取りを地元の古書店に依頼したりするのである。すると思わぬお宝が入荷されることがあるので、街の古書店はちょくちょくチェックするようにしている。
『ミッドワイフの家』は前から読みたいと思っていたのだが、ブックオフや古書店でもけっこう探したが見つからず、かといってアマゾンで状態が分からないものを配送料を出してまで買う気になれず、別に急ぎもしないので買わなかったのだ(神保町で一つ見つけたが高かった)。
その日は昼間、けっこう歩き回って疲れていたので寄り道せずに帰ろうかとも考えたのだが、寄って良かった。やはり不定期でも古書店はチェックすると良いと思う。