恥ずかしながら世田谷文学館を訪れたのは初めてだった。べつに筒井にもさほど詳しいわけではないのだが、この展覧会はぜひ見たいと思っていたし、京王線を使う用事があったのでせっかくなので立ち寄ったのである。
展示内容の撮影はできなかったので中身の様子はここには載せられないが、めちゃくちゃ面白かった。
とにかく資料が充実していた。パネルで辿る年表はかなり細かく書かれていたし、自筆原稿、初版本の他、広告、映像化の際のポスターなどの関連品も豊富に展示されていた。順路があるようでなく、年譜パネルから作品の紹介スペースに分岐していたり、パネルに穴が空いていたりとユニークだった。
『夢の木坂分岐点』で谷崎賞を取った時の賞状があったのだが、選考委員の一人だった大江健三郎のサインがあったのにはつい見入ってしまった。