杉本純のブログ

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集中する時間をいかに作るか

立花隆がかつてどこかで、仕事部屋に籠もって誰の邪魔も入らない環境で原稿を書くのが至福だとか、理想的な仕事の仕方だとか、そんなことを書いていた。

立花は物書きなので、「書く」上ではたしかにノイズが入らない環境が最高だろう。フリーランスであればそういう環境を作るのは難しくないが、会社勤めをして文章を書いている人は朝から夕方までオフィスで働いているだろうから難しいと思う。

私も勤め人なので、色んな方面から話し掛けられたり電話がかかってきたりメールが来たりして、それにすぐ反応しなくてはならない場合が多いので執筆に集中できる環境を作るのは容易ではない。だから、短くてもいいからとにかく集中できる時間を作り、そこで一気に仕事を進めるようにしている。

例えば取材が済むと、そこからの移動中に時間を作り、短時間で集中して記事のアウトラインを描いておく。すると、仮に後日本格的に執筆することになっても、全体の骨格ができているので割に早く書き上がる。逆にアウトラインを描かずに後日取り掛かると、そもそもどんな取材内容だったのかも頭から飛んでしまっていて音声を一から聞き直さなくてはならない、なんていう事態にもなってしまう。

そんな風にならないためにも、集中できる時間が大切である。その意味で、会社勤めでは仕事は時間との格闘みたいな面がある。フリーランスだと、時間はある程度自由にやりくりできてしまうだろうから事情もかなり異なるのではと思う。

勤め人の中には、誰からも連絡が入らなくなる夜になってから、集中するべき業務を始める人もいる。そういう人は、昼間は比較的ボーッとしている。