杉本純のブログ

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珍現象

「会社を休み、会社の仕事をする」

世界には、人間の理解の及ばない、科学では解き明かせない事象が多くあります。そういうのはしばしば「怪奇現象」と言われ、人々は珍しそうに眺めます。

しかし、中にはその人間がおこなう怪奇現象があります。しかも驚くべきことに、人間による怪奇現象は、私の周りでときどき起きているのです。

どういう怪奇現象かというと、「休暇を取って会社を休み、家で会社の仕事をしている」です。私は、周囲の人がたまに行うこの行為が、どうしても理解できません。

まぁ、人が休みの日に何をしようと勝手なので何も問題はないのですが、会社を休んで働いていることを理由に、私は大変な思いをして働いているんだ! 的な主張をしてくる人がたまにいるので、困ります。

この現象、正直に言うと「どうしても理解できない」というほどではないかもしれません。私は、週末や祝日の時間を使って平日に溜まった仕事を片付けたことがあります。「勤務時間外に勤務をする」という意味では、一般の基準からするとおかしいはずであるものの、わざわざ残業とか休日出勤の申請をするのが面倒くさい、という側面もあるので、理解できるのです。

しかし、わざわざ休暇を取って仕事をする、というのはなぜなのか。これは理解しがたい。ただ、それをやっている人の立場になって考えると、たぶん、出社をするとお客さんや上司や同僚に何かと話し掛けられて仕事にならない、ということかと思います。つまり「集中して仕事をするために会社を休む」ということでしょう。

私は、集中することが仕事に不可欠なのであれば、会社に出て、客や上司や同僚をシャットアウトしてでも集中すればいいじゃないか、と思います。もし私がそれをその人に言ったら、その人から「それがしにくい状況もあるんだ」という返事がきそうです。だったら私は、「じゃあ、あなたが休んでいる間もそういう突発的な案件は出てくるはずで、それは誰が対応するんだい?」と聞きたい。もしその人が「私以外の人が対応することになる」と言うなら話は簡単で、「他の人でもできるんだから、その仕事は任せて、あなたは自分の仕事に集中すればいいじゃないですか」ということになります。「私は頼まれたら断れない性格だから…」ということなんでしょうけれど、それなら「今日も突発的な案件がたくさん来るから休まないでくれ」と頼まれたらどうするのか。

この辺でやめておきますが、だからこの問題、私は「どうしても理解できない」というより、その心理は何となくだが理解できる、ということになります。しかし、私は上記のようにシャットアウトすれば問題ない、という考えで、それを実践していますので、わざわざ休みを取ってまで仕事をする、ということはしないと思います。