杉本純のブログ

本を読む。街を見る。調べて書く。

小説飢餓

近ごろ、小説の読書のためにまとまった時間をとることができていません。これはいかん、と思います。

読書自体はしているのですが、勉強の方に忙しく、小説を味わうことからは遠ざかっています。勉強は大事なので仕方がないことなのですが、小説の読書が減ると、やはり日常生活が貧寒たるものになってしまいますね。

以前、仕事で行ったあるインタビューで、演劇などの藝術は無くても腹が減ったり死んだりするわけではないが、無いと世の中がギスギスしてしまう、とインタビュイーが話していました。

「人はパンのみに生きるにあらず」の類いの、たまに耳にする言葉でした。しかし、現にこうして小説の読書から遠ざかってみると、真実として改めて身に染みる思いがします。

人間が「お話」を求める生き物であることは、科学的に解明されつつあると記憶しています。また、精神的な充足もさることながら、歴史はストーリーだと覚えやすいなど、「お話」が学習や記憶の点でも有効であることは紛れもない事実でしょう。とはいえまあ、そんな理屈は本当は関係ないのです。

壮大な世界を描き出した、長大で重厚な小説が読みたいです。やっぱり十九世紀の作品かな…。