杉本純のブログ

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さまよう思考

マインドワンダリング

Eテレきょうの健康」で「大人の発達障害」について解説していました。番組にはASDADHD当事者が複数登場していましたが、彼らの言動や考えには共感するところがあり(自分も同じような言動をする)、他人事とは思えませんでした。

シリーズ最終回は、視聴者から寄せられた発達障害に関する質問に答える内容で、その中に「自分は他人とは違う光景が見える」などという不思議な質問がありました。解説者の岩波明先生は質問に対し、「マインドワンダリング」という思考特性について述べていました。

“wander(ワンダー)”は「さまよう」という意味で、マインドワンダリングはつまり「さまよう思考」を意味します。他人の話を聞いているうちに、ほぼ逆らい難く他のことを考えてしまう、注意が目の前のことから他へ向いてしまう、といった特性を指すらしい。

要するに「心ここにあらず」の状態ですが、何となくボーっとしている人、会話していて話題がいきなり飛んだりする人は、マインドワンダリングの持ち主なのかもしれません。

不便な特性ですが、これが創造性となって発揮されれば、藝術などの才能を開花させることにもつながるそうです。先日読んだ銀河『発達障害フリーランス』(翔泳社、2022年)や、HSP関連書にも書いてありましたが、生活や仕事において不便と思われる自分の特性は、使い方によってはすばらしい結果を生むということです。